「和を以て貴しとなす」という言葉があるように、日本では古くから、一人ひとりの思いや考えを尊重し、重ね合わせていくことが重要とされてきました。これは現在の情報社会においても非常に重要な要素といえます。一つの価値観にとらわれ、どちらか一方が正しいという考えでは変化に対応することはできません。相反する価値観や概念の両方を回転させ、混ぜ合わせることによって新たな選択肢が生まれる、そのことを表したキーワードが「中性の創造力」です。現在、新型コロナに対する取り組みやワクチン接種などに関して、認識のギャップや価値観の相違による対立構造が生まれつつあります。しかし、大切なのは自分と価値観や考え方が異なるからといって排除するのではなく、むしろその違いを唯一無二の価値として捉えること。考えが異なる者同士の対話がなければ、新たな可能性が生まれることもありません。あらゆる分野で従来までの垣根や線引きがなくなり、社会全体が中性化していく流れの中、イノベーションを起こすための重要なキーワードとして認識しておく必要があります。(2021.8.9/16)
情報分析/谷口正和・ジャパンライフデザインシステムズ
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