競泳の池江璃花子選手が、白血病であることを告白し、闘病生活に入ることを発表しました。自身の人生をポジティブに再編したことで、多くの人が支持を表明しています。これは、生活者の間で個人の尊厳を大切にしていこうという機運が高まっていることを如実に表しています。AI やIoT が社会に浸透し、誰もがスコアリングされ、嫌が応にもますます個人が顕在化していく時代だからこそ、生活者たちはより個人にフォーカスしているようにも感じられます。かつては、自分を犠牲にして、国のため、誰かのために身を粉にして戦うことが日本の美学とされていた時代がありました。しかし今、生活者たちは弱者の声に耳を傾け、共感と応援の輪を広げ続けています。個人の発言が、これほどまで支持を集め、共感の輪となって広がっている現実からも、生活者の価値思考の中に個人の尊厳というキーワードが定着してきていると言っても過言ではないでしょう。個人化が進行している時代だからこそ、一人ひとりの言動がますます注視される社会が到来していることを心に留めておきましょう
谷口正和
2019年2月18日 ジャパンライフデザインシステムズ
0コメント