情報化社会がもつ最大の認識論は、ある情報を知り、学び、体験することで感じた「思い」によって、価値が移動し行動が変わるということです。情報は心理をつくる大きな要素であり、いわば薬のようなもの。それを戦略的に活用していこうというのが、この「情報心理薬」というキーワードです。例えば、日本では独り住まいの割合が増加傾向にあります。この事実に対して、寂しくて辛い社会とネガティブに捉えるか、あるいは個人を主軸にした新しい社会が到来しつつあるとポジティブに捉えるかで、自身の目線や立ち位置が変わり、その結果として未来も変わっていきます。「病は気から」という言葉のように、悪く考えればそのように進んでいってしまう。だからこそ、ポジティブな動機づけへと導くための「情報心理薬」を戦略的に注入していく必要があります。自らの可能性や自己決定に自信がもてない人が少なくない中、情報環境を整えることが第一歩を踏み出す行動力となり、そのような人が増えることで日本全体のエネルギーを活性化することにもつながります。情報化社会における成長戦略のカギとして、このキーワードを認識しておきましょう。(2020.01.27号)
ジャパンライフデザインシステムズ
谷口正和
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