このほど発表されたGDPの数値は戦後最大の落ち込みと大きく報道されていますが、私たちにとって大切なのは、このマイナスを元に戻すということではありません。この指標をいわば旧経済の認識と捉え、新たな指標を掲げることが必要であり、それが今回のキーワード「地球社会生産性」です。エコやサステナブルの概念がコロナによって一気に加速し、まさに今「生命の世紀」へと突入しています。限りある資源を犠牲にしながら生産と消費を繰り返してきた経済第一主義の社会から、私たちを生かしてくれている地球という生命体をベースにして考える「命第一主義」の社会へとシフトしてきています。大切なのは最大化ではなく最適化。必要なものを必要な分だけという適正生産や厳選圧縮によって総量を絞りながら、生産の質の向上と消費エネルギーの低下につなげていくことが求められます。経済の拡大こそが国の成長と考えてきた時代が終焉を迎え、新たな最適・適中社会へと生まれ変わりつつあります。今回のGDPの数値に悲観するのではなく、今の状況を前向きに捉えていく思想こそが問われています。(2020.08.24)
情報分析/谷口正和・ジャパンライフデザインシステムズ
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