安倍首相の突然の辞任表明もあり、先週は「幕の下ろし方」を考える象徴的な週となりました。次の一年をどのように見ていくか、これは政治に限らず、あらゆる業種・業態、そして私たちの生き方や働き方にとっても重要です。過去に軸足を置いてきた従来の価値観や方法論に対して一度幕引きをして、新しい演目を始めるための準備をしていく。そのことを表したキーワードが「終わりの演劇」です。新たなスタートを切るためには、これまでの認識や行動を一度ニュートラルに引き戻し、ゼロベースで考え直していくことが必要です。過去に引きずられることなく、そして未来を恐れることなく、いま目の前にあるファクトを冷静にみることが求められています。社会が大きく変わっていく様子を感じていながらも、それでも慣習に縛られ過去の延長で生きてきたような状況の中、コロナによって否応無くエンディングシミュレーションを考えるきっかけが生まれています。今こそ一つの時代の終わり方に対して正面から向き合う時。未来の演劇を始めるための幕の下ろし方が問われています。(2020.09.07)
情報分析/谷口正和・ジャパンライフデザインシステムズ
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