シンボリック・ツリー

パリのノートルダム大聖堂が大規模火災に見舞われるという衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。圧倒的な個性と継続力をもつノートルダム大聖堂は、数ある文化遺産の中でも極めて高い代表性と象徴性をもった「シンボリック・ツリー」といえます。都市という大地に根を張り、長きにわたり培ってきた個性や文化を養分としながら成長していくシンボルの木は、我々に過去・現在・未来をひとつなぎで見せてくれています。過去の素材が未来の栄養分になるとすれば、今回の災害も象徴性をより高めるための一つの要素と見ることができます。都市のシンボルをいかに復元するかという再生のドラマが、国内外の様々なところで生まれつつあります。このような流れからも、人や都市それぞれが固有の独自性をもち、それを大切にしながら交換し合う文化交流型の社会構造において、中軸となるシンボルが強く求められることが見てとれます。そしてこれは都市に限らず、企業やブランドにおいても同様です。象徴性をもった唯一無二のシンボリック・ツリーとなるような商品やサービスの大切さを、このキーワードは教えてくれています。


谷口正和

2019年4月15日 ジャパンライフデザインシステムズ

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