人生100年時代や働き方改革など、生き方や働き方が大きな転換期を迎える中、先ごろの政府による「老後に2000万円が必要」という発言は、国民の将来に対する不安感を一層煽るものだったといえます。しかし、人生を生き切るために大切なのは、まだ見ぬ未来を思い悩むのではなく、「今日」に目を向けて、今の自分を肯定することです。そのためには、日頃から物事をポジティブに捉え、プラスに転換していくトレーニングが必要です。常識や固定概念に縛られ「これではダメだ」と拒絶していたことも、ポジティブシンキングによって「これでもいいじゃないか」というような、いい意味でアバウトで適当にみえる緩やかなジャッジができようになり、柔軟な思考能力が身についていきます。自分自身に対しても、一般論によって作られた美しさを目指すのではなく、自然体でありのままの自分を受け入れる。そのことが、日常の中での幸福感や満足度につながっていきます。長寿社会となり、生きることの再策定が求められる現在、人生を前向きに楽しむことにもつながる「ポジティブ・トゥデイ」という概念が浮かび上がってきています。
谷口正和
2019年6月17日 ジャパンライフデザインシステムズ
0コメント