市民の声に耳を傾けることこそ、民主主義の大原則です。しかし、パリや香港をはじめ世界各地で起こっている大規模なデモを見ると、「聞く耳」が失われつつある現状が感じられて仕方ありません。このような社会状況の中、浮かび上がってきた今回のキーワードが「みみタロウ」です。何に目を向け、耳を傾けるかという受信能力は、情報社会において最も大きなファクターの一つです。見聞きすることで得た気づきや学びこそが、受発信のサイクルの起点になります。だからこそ、新しいことを敏感にキャッチできる広い視野と聴野をもつことが必要といえます。聞く耳をもつことは学習のチャンスです。見聞きして学んだことを集約、分析して、知恵に転換することが情報社会に求められる要素であり、それがなければ過去の仕組みや成功体験に倣った従来と同じスタイルから抜け出すことはできません。事業やサービスにおいても、よく見てよく聞くことを方法論として搭載できているかどうかが重要です。市民の声が蔑ろにされがちな今だからこそ、「聞く耳」を失わずに大事にしていきたいところです。
谷口正和
2019年6月24日 ジャパンライフデザインシステムズ
0コメント