先ごろ開催されたG20サミットを受け、私たちが注目すべきなのは、今回のサミットや関連イベントが、将来に向けてどのような形で広がりをみせるかという「未来波及効果」です。例えば、トランプ大統領はサミット後に北朝鮮の金委員長と会談し、大きな話題を呼びました。これによってすぐに何かが変わるということでなくても、二者の友好的な関係性が演出されたことにより、肯定的な未来感というものが生まれます。また開催地である大阪に世界中からメディアが集まったことで、大阪独自のカルチャーや街の特徴が広く発信されたことも、今回のサミットによる一つの波及効果です。話題が生産され、そのことによって訪問者が増加するといったような未来期待値が形成されます。ビジネスにおいても、こうした波及効果や話題の生産をいかにして組み立てていくかが重要で、未来に対する波及の速度や方向性を予測したり、戦略的につくり出したりすることが求められます。希望や期待感をもって行動と発言を行い、そのことが「未来波及効果」となって伝播していく。情報メディア社会における重要なキーワードとして認識しておきましょう。
谷口正和
2019年7月8日 ジャパンライフデザインシステムズ
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