あらゆる分野でこれまでの垣根が外れた現在は、様々なものが入り混じるカオスの状況といえます。そんな混沌の渦の中から浮かび上がってきたキーワードが「矛盾の数式」。連立方程式を解くように、一見すると相反するものも同時に解決していく、そのようなシナリオが求められています。近年、世界の起業家たちの間でマインドフルネスなどをはじめとした東洋文化の思想や考え方が広まってきています。物の充足や利便性を追い求め、近代化をリードしてきた西洋の文明・思想が行き詰まり、その対抗概念として心の充足を願う東洋思想へと価値軸がシフトしつつあります。ここで重要なのは、どちらかを選んだり、どちらが優れているかを決めたりということではありません。東洋と西洋の思想を総和させ、新しい価値観として活用することです。この認識は、新型コロナウイルスに関しても同様です。ウイルスを封じ込めることだけでなく、感染拡大による経済への影響も同時に考え、解決策を模索していく。どちらかに注力するということではなく、全体に対する目線をもって課題解決に挑む連立方程式の発想が求められています。(2020.03.23)
ジャパンライフデザインシステムズ
谷口正和
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